月に手を伸ばせ

アートとバイク。思ったことを何処かに残したい。

雨曝しだった空に浮かぶ月#02

カケルは私の胸倉をつかんだ。「なんだその顔いい年こいて何考えてんだ。幸せじゃないってどういうことだ、俺の言葉を無視し続けたくせにどういうことだ、打ち明けないなら幸せでいろよ。お前が話したくなるのを待っていたけどもういい加減にしろ。お前今す…

雨曝しだった空に浮かぶ月#01

そこに愛は無かったと思う。いつの間にか増えた持病に吐血するまで気づかない程働きづめだった。「私たちには絆があったじゃない。」そんな話をしてもむなしいだけだった。 彼と拾ったネコだけが無神経にニャアとないて双方の機嫌をとっていた。5年は長かっ…

私とエレカシ#41

朝が来て昨夜のカケルは嘘ではないんだと思った。 まだカケルは寝ていた。ぼさぼさの髪をなでながらコーヒーを淹れる。 ごそごそと起きてきたカケルが私の顔をみてほっとしていた。後ろから強く抱きしめてくる。「お前が死んじまう夢をみた。」そういって泣…

私とエレカシ#40

「お前はいつもろくなときに電話してこねぇなぁ。」電話越しに少し嬉しそうなカケルの声がした。ほっとする。涙がおかしいくらいこぼれてきた。「なんだ、どうした、言ってみろ一個ずつ」そういって優しく私の返事を待つ。「僕は普通じゃない」私は声を絞り…

私とエレカシ#39

穏やかな時間はあっという間だった。誰とも深くはつながらなかったが、自分を見つめるいい機会になった。誰もいないとはこういうことだと、学んだ。雨が降っても誰かが洗濯物を入れてくれるわけではない。部屋を放置していれば勝手に汚れていく。深い海に潜…

私とエレカシ#38

私は自分の性認識がどちらか分からなかった。男性の様になりたいとも思わなかったし、女性の様になりたいとも思わなかった。 性を認知させる行動が嫌いだった。たとえばスカートを着る事もそうだった。肌を露出させる事も苦手だった。髪を伸ばすのも苦手だっ…

私とエレカシ#37

凛と出会ったのは、附属の大学の博物館だった。 私は大嫌いな生物の授業を避けて、無音の場所を求めて高校から抜け出た。勝手に耳に入ってくる音がうるさくて、人といるとその人に対しての感情すら音になってしまった。とりあえず共感覚という言葉を、カナダ…

FM802 30PARTY SPECIAL LIVE RADIO MAGICアーティスト紹介SHISHAMO#07

はーい苦手分野の胸キュンラブソングのお時間がやってきました。ちょっと頑張って書きますw元気印の3ピースバンドSHISHAMOちゃん。私が少しだけ紹介を拒んだのには理由が有ります。「こんな気持ちになったことがあるかないかと問われれば、有るかもしれない…

FM802 30PARTY SPECIAL LIVE RADIO MAGICアーティスト紹介スガシカオ#06

スガシカオの魅力は私よりも詳しいお友達がいるのだが、ひとまず感想とヘビロテの解説を。私の生きている時代の中で確かな地位を画一したのはいうまでもない。 まず802のヘビロテは「ハチミツとクローバー」の挿入歌「黄金の月」スガシカオの歌詞は外郭を埋…

FM802 30PARTY SPECIAL LIVE RADIO MAGICアーティスト紹介フレデリック#05

いやぁ…皆さんにフレデリックの事を語る日が来るとは…今現代のメジャーシーンで活躍してる私の好きな比較的明るいバンドってフレデリックなんだよね。(一昨年まではフレハウスのメンバーでした。) フレデリックの特徴は何と言っても耳心地のリズム、絶対に…

私とエレカシ#36

4時になると目を覚ます。 とりあえずタバコを吸いながらコーヒーを淹れる。 600mlのコーヒーをゆっくり淹れながら目を覚ます。 タイマーセットした洗濯物を天気を確認して干す。 いつもきまってTHE YELLOW MONKEYの楽園を歌いながら。 シャワーを浴びて、髪…

FM802 30PARTY SPECIAL LIVE RADIO MAGICアーティスト紹介クリープハイプ#04

クリープハイプはタイアップも多いしご存知の方も多いと思いますが、フェスの中でもかなりの動員を誇るまさに旬のバンドです。 私が一番最初にクリープを聞いたのは映画『帝一の國』主題歌 イトでした。 https://music.apple.com/jp/album/%E3%82%A4%E3%83%8…

私とエレカシ#35

今をかきならせツアーを見に行ったあと、エレカシを聴くといつもの500倍くらいのパワーで頑張りはじめた。毎日繰り返す、短編の作成、公募に応募、映像作品の大会にも取り組んでいた。学校の軽音部にもすぐに誘われた。まぁとにかく何でもやろうって気持ちと…

FM802 30PARTY SPECIAL LIVE RADIO MAGICアーティスト紹介KANA-BOON#03

ライブハウスたたきあげ!というとやはりKANA-BOON世代の正当実力派バンドが筆頭に上がります。 地元の高校でバンド仲間になり、ライブハウス出演でその実力を認められ、めきめき頭角をあらわしていました。2017年のラブシャだったかな、たしかフレデリック…

私とエレカシ#34

あれから一度も居酒屋にはいかなかった。たった1か月だった、とても長い1か月。一度だけ警察に行きカウンセラーのT先生からもう関わることはないよと言われた。 T先生は、君は声がきれいだからと電話の仕事を紹介してくれた。自分ではそう思わなかったけど…

私とエレカシ#33

学校では異質を極めていた。少しでも人がそばに来たら叫ぶ。触られたら殴りかかる。そんな奴だった。 スクールカウンセラーはそんな私を放っておいてはくれなかった。向き合って話をしようと一生懸命にいう。それがそいつの仕事だった。 共感覚自体もかなり…

私とエレカシ#32

「何でうちで働きたいと思ったの?」禿げ上がった頭をなぜてにこにこ笑いながら私をみる。「自分は、高校のお金とか、生活費とか、、自給高かったし、高校生でもいいって書いてあったので。応募しました。」私は自分の腕をギュッとつかみながら、その禿おや…

FM802 30PARTY SPECIAL LIVE RADIO MAGICアーティスト紹介HY#02

HYといえば言わずもがな 南沢奈央さん・溝端淳平さん出演の映画「赤い糸」の主題歌 366日 圧倒的な歌唱力で歌い上げるラブソングは、多くの若者の心を打ったのではないだろうか。 2008年に発売された5枚目のアルバム「HeartY(ハーティー)」に収録 366日…

FM802 30PARTY SPECIAL LIVE RADIO MAGICアーティスト紹介阿部真央#01

ツイッターのいいね機能。ふぁぼって呼ばれたりしますよね。 もし、阿部真央の歌詞をすべて読んだなら、きっとバズってしかたないと思うんだよね。 例えばだけど 疲れました。この場に 疲れました。アナタの言葉に疲れました。嘘をつくのにもう無理矢理笑い…

私とエレカシ#31

高校に入るまでのあいだ、色々な申請のおかげでほとんどの時間を外で過ごした。自分が世間知らずだと知ったのは一人暮らしを始めたからだった。一人だと電気の契約すらうまいこと出来ないし、事前にそんなものが必要だなんて知らなかった。 生活に何が必要な…

私とエレカシ#30

「序曲」夢のちまた エレファントカシマシ ロック ¥250 provided courtesy of iTunes 世を上げて 春の景色を語るとき暗き自部屋の机上にて 暗くなるまで過ごし行きただ漠然と思い行いく春もある 卒業式の日に初めて袖を通した制服は私をあざ笑うかのように晴…

私とエレカシ#29.5

博多へ引っ越す準備はすべてできた。 本来であれば絶対に住むことの出来ない物件を、ただ住まうだけなら誰もいないよりは住んでいてほしいとカズキ君のご両親が貸してくれた。 紆余曲折あったがいったん婚約破棄された彼女とカズキ君も結婚をすることになっ…

私とエレカシ#29

サクラサク 合格通知が来たのはぼろぼろの精神状態で受けた受験校だった。 学費の免除も通過し、ほどなく入学の手続きを受け始めた。 マーシーとカズキ君に頼んで引越の準備を探した。 おばあちゃんと過ごした小倉の家は取り壊されることになっていた。 私の…

私とエレカシ#28

家にいると、何かにつけて母が私を呼び出してきた。家の手伝いもしないでと怒鳴りつけてきたり、わざと何か要件を言いつけてきたり、とにかく受験勉強の邪魔をするので、結局夜中しか勉強が出来なかった。マーシーのお母さんは学校の先生で真剣に相談に乗っ…

私とエレカシ#27

秋にはバンドの演奏と、演劇部に書いた脚本の打ち合わせ、あとは放送委員の進行の準備でてんてこ舞いだった。 カケルも今年は生徒会をやっていてなかなか話ができないし、カズキくんも前の彼女と寄りを戻して忙しそうだった。 忙しい方が何かと気楽なのは、…

私とエレカシ #26

社会人から学生バンドまでが出られる夏祭りの大会は、オーディションから本番まで課題曲と自由曲 で競い合う。本番で歌えるのはたったの5組、私たちは絶対に勝てると確信していた。現メンバーが夏前に居なくなったのでドラムは元部長に頼んで入ってもらった…

私とエレカシ#25

夏になった。何度目かの恋人何度目かの別れ、ほとほと恋に疲れてしまった。思春期の同性愛なんて、興味本位ばかりだった。ずっと同性愛者なんだと思っていたので、どーせ周りに本物なんていないと落ち込んでしまった部分もあった。学校の中庭、私たちの練習…

私とエレカシ#24

母がふらっと自宅に帰還した。 妹は泣いて喜び、弟も喜んでいた。 離れていても、円になる特性を持った集合体のようで、家族ってこんなものかとおもった。 母は、私だけを無視した。 家族で出かける中私は入っていなかった。 妹の学校の準備も 弟の幼稚園の…

私とエレカシ#23

ああ俺には何か足りないと 何が足りぬやらこの俺には 弱き人のその肩に やさしき言葉もかけられず 人を思ううちが花よと わずかに己れをなぐさめた 偶成 エレファントカシマシ ロック ¥250 provided courtesy of iTunes 漠然と教室にいる同級生を見やる。耳…

私とエレカシ#22

文化祭の帰りの日カケルが口ずさんだ 友達がいるのさ初めてこの歌を聴いた。 バンドの一体感と優しい演奏、 私のバンド仲間を思い出した。 友達がいるのさ エレファントカシマシ ロック ¥250 provided courtesy of iTunes 俺はまた出かけよう あいつらがいる…