月に手を伸ばせ

アートとバイク。思ったことを何処かに残したい。

私とエレカシ#31

 高校に入るまでのあいだ、色々な申請のおかげでほとんどの時間を外で過ごした。
自分が世間知らずだと知ったのは一人暮らしを始めたからだった。
一人だと電気の契約すらうまいこと出来ないし、事前にそんなものが必要だなんて知らなかった。

生活に何が必要なのかとか、どうすればいいのかとか、
もうほんとに何もかもが分からなかった。

役所にいっても、話を聞いても、何から準備すればいいかわからないし、
役所の人間に「親御さんと一緒に来てもらえますか?」といわれ、なんとなく行きづらくなってしまった。

生活ってこんなに疲れるんだ。そう思いながら博多の街のリサイクルストアをめぐる。
冷蔵庫の値段も、洗濯機の値段も初めて知った。

マーシーの家に行くと、すべてがそろっていて、マーシーはそれが普通のように私にコーヒーを入れた。
何にも言えなかった。
風呂に入りたくてもガスが引けてなかった、
風呂を借りるためにマーシーと寝る。そんな風に寝たのは初めてだったけど、なんだかとても自分がみじめな気がした。
マーシーはひたすらにやさしいけれど、私は、一人でいたかった。

コインランドリーで本を読みながら、煙草を吸う。
ぼさぼさの髪に生気のぬけたかおの自分が写る。
一つだけため息をついてこんなんじゃダメだっておもった。

家に帰ると月明かりと街の明かりだけで少しだけ明るいその場所で寝た。
布団も無かった。段ボールに入った本を読むにはアパートは暗すぎた。
いつか、こんな気持ちをすべて払拭するぐらい、強く生きるために、今は恥をかくしかない。

そう思ってもう一度役所に行くことにした。


色々なことを調べてひとつずつ着手して行った。
契約がこんなにめんどくさいなんて思わなかった。


早々に免許証を作り、それを身分証明書にしなければ、そもそも契約が結べなかった。
そのために一度地元に戻り…なんてことをしていたので全くお金は手元に残らない。
家に変えれば電気も水も使えるのに、自分が家から持ってきたものはなんの生活にも役に立たないものばかりだった。

 自分の幼さがにくかった。

少しずつ、少しずつ、生活が豊かになっていく。

 

ガストロンジャー

ガストロンジャー

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もっと力強い生活をこの手に!


電気が付いた。ガスがでる。こんなに有り難いなんて思わなかった。
何も知らなければ一人では生きていけない。


制服の採寸をして金額を支払い、驚愕する。
何がオリジナルのブランドコラボだ!

 

世界には悪意なんかない、でもみんな私利私欲の為にいろんな話をしてくるんだ。
それを逆手にとって生きてやる。
学費以外の金額に頭を抱えながら、アルバイトを探しはじめた。

世の中を憂い手も、その日食べるものが無ければ憂いてる自分なんてクズにも等しいと思った。

”くだらねえ世の中” ”くだらねえ俺達”

そんなのお前、百年前から誰でも言ってるよ。
お前、変わんねえんだよそれ、 

そう、昔から毒づくだけのひとはいくらでもいる。でも私は…

世の中にはさあ知ってるよなあお前、正直な話。
ただなあ、お前がっかりしてんなよ、お前

ガストロンジャーがなかったら、私は生活すらはじめられなかった。
毎日毎日聞いていた。この歌を。
ビシビシと伝わる緊張感。
死ぬ時が来るまで生きなければいけない。そして、絶対に負けない為に、最後には勝つために、力強く生きていかなきゃいけない。
エレカシが励ましてくれる。いっしょに戦ってくれる。
何があったって、生活をやりぬいてやる。
大いなる反抗心を生活を豊かにすることでぶつけ続けてやる。

OH!
化けの皮を剥がしにいこうぜおい。
さあ勝ちにいこうぜ。

でたらめでもなんでもいいんだ。

ただなあお前、破壊されんだよ駄目な物はいずれ。

死ぬときがこの毎日ときっとおさらばって言うことなんだから、

それまで出来得る限り、
そう出来得る限り己自身の道を歩むべく、
反抗を続けてみようじゃないか、出来得る限り...。


胸を張ってさ そう